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28thth Prince Lot Festival
− プリンス・ロット フェスティバル レポート −
Text/Photo: Minako Ishii (石井美奈子)

 

ハワイで最大・最古のフラの祭典・プリンス・ロット・フェスティバル。今年もMGF(Moanalua Gardens Foundation/モアナルア・ガーデン基金)の主催により、13のハラウ(Halau/フラ教室)を迎えて例年通り7月第3週土曜日、16日に行われました。モンキーポッド(monkeypod/アメリカネムノキ)の小枝から、時折、ハワイでは神の恵み(Blessing)と言われている霧雨が太陽を背に舞い降り、プリンス・ロット・フェスティバルを祝福しているかのようでした。

変残念なことに、パフォーマンスをするハラウ関係者でない限り、今年から写真・ビデオ撮影は一切禁止。過去、商業カメラマンの皆さんがハラウのパフォーマンスを売り物にするだけで、ハラウの功績に対する御礼もなかったとか。そこで今回は、主催者の意思を尊重して、撮影よりパフォーマンスを徹底して研究することにしました。実は職業柄(本業・写真家)、フラ・パフォーマンスに行くたびに撮影ばかりに気をとられて、なかなかフラを鑑賞する機会がないのが常なのです。結果的に今回はフラ鑑賞の大変好機会となりました。お陰で皆さんにも、プログラム内容の詳細をお伝えできるかと思います。

カメハメハ5世、プリンス・ロットの祭典と主宰者MGF

MGFは多くのカマナナヌイ渓谷ガイド役を務めてきた。
 

プリンス・ロット(Lot Kapu`aiwa) は、最後のカメハメハ王、5世として1863年から1872年間ハワイの王様として君臨。意志行動力・忍耐力に優れ、また意志の強いことでもよく知られていた彼は、欧米からの圧力に屈することなく、フラを含むハワイ文化の復興と永続を推進したと言われています。その王の名にちなんだこの祭典は、MGFの手によりプリンス・ロットのコテージがあるモアナルア・ガーデンにて1978年より開催されました。彼の意思を継承し栄誉を称える祭典として伝統的なイベント。宣教師達に封じ込まれたフラは、ストーリー・テラーやチャンターの手に委ねられ秘かに伝承されてきましたが、その中でもカマナナヌイ渓谷(Kamananui Valley)の歴史や言い伝えを語り継いだのはチャンター、Namakahelu Makaena。そしてMGFがカマナナヌイ渓谷の民話・伝説・歌の名残を留める風景を守ってきたのがMGFです。もともとは、カメハメハ大王も訪れたといわれるカマナナヌイ渓谷(Kamananui Valley)を、高速道路(H3)の建設で破壊されないように阻止するために1970年に設立された基金。

   

  フラ・マウンド2004年のフェスティバルから, 写真:Zevs
   

よって、この由緒あるカマナナヌイ渓谷にある庭園内で、芝生の高台であるパフォーマンス場、フラ・マウンドの通称で知られる「Kama’ipu’upa’a」は、フラ・ダンサーとっても特別な場所なのです。 フラ鑑賞のエチケットを観客に伝え、パフォーマー側にも伝統的で正確な歌・チャントやフラを披露するよう努めてきているMGFは、毎年100名以上のボランティアメンバーに支えられながらも今年で28年目を迎えたこのイベントをホストしてきました。その功績は、国立芸術基金やハワイ観光局などからの様々な賞受賞によっても広く認知されています。また、多くの制限がある他コンペティションと異なり、年や経験に関わらず、ハラウというひとつのオハナ(ohana/家族)としてみんなが参加でき、日頃の練習の成果、また学習されてきている伝承を多くの観客の方々と分かち合う場ができることがプリンス・ロット・フェスティバルの何よりの魅力。

フラの種類は、細かく分けると一般に知られているモダン・フラ(hula `auana)、多くの宗教的意味を持つ神話、伝説、神への賛歌を起源とし、時代背景や歴史文化を踊い詠う古代フラ(hula kahiko)と2種類に区別される以前は、それぞれフラの内容によって呼び名も異なっていました。手と胴体のジェスチャーだけで座位で踊るhula kuhi lima、同様に座位でイプやチャントと共に踊るhula kuolo、男性が胸を強く叩いて踊るhula pâ`iumauma、神に捧げるフォーマルなフラhula kuahu等、様々な種類が存在していました。フラ最高峰のフェスティバル、メリー・モナーク開催以来、このカテゴリーがメインのモダン・フラと古代フラに整理されましたが、上記の異なるフラ・スタイルを堪能することができるのも、このプリンス・ロット・フェスティバルの特徴です。フラを研究なさりたい方には、絶好の機会でしょう。
入場料も無料であるこのイベントは、今ではローカルの大きな楽しみのひとつ。木陰の下、芝生の上でリラックスしながら、家族やフラ好きの人々が朝9時から夕方の4時まで存分にフラを満喫できる日です。(入場料の代わりに、3ドルのバッジを購入することによって寄付となりますので、プリンス・ロットをサポートして下さる方は是非ご協力下さい。その他、MGFのメンバー・シップに参加してサポートすることも可能です。)

ホストは、イオラニ宮殿の1級のガイド役として長年カラカウア王とリリウオカラナニ女王の音楽遺産を得意とし、ロイヤル・ハワイアン・バンドと歌共演もしているNalani Olds。女王の友達でもあった彼女の曽祖母から伝わったハワイの伝統を受け継いできた祖母に育てられた彼女は、この日を何より楽しみにしているとか。従兄妹のWendell P.K. Silvaも午前中だけお手伝い。昔を懐かしむ二人の楽しげな会話から、パフォーマンスの幕が明けました。このイベントに参加するハラウは招待制。フラ復活当初は、オアフ島のLeewardと呼ばれるホノルルの反対側に位置する街、KaneoheやKailuaに多くのハラウが集結していました。そのため、プリンス・ロットにはLeewardからたくさんのハラウを招かれた背景があり、このイベントでは多くのLeewardを本拠地にしているハラウが見られる理由となります。次の頁にて、ハラウのパフォーマンス順に内容をご紹介します。

ハラウのパフォーマンス・レポート


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