|
- 2005年のレイ・デー・レポート -
May Day is Lei Day in Hawaii
Text/Photo: 石井美奈子
多様な草花で作られた「レイ」は、Kamaaina(ローカル)やMalihini(ビジター)にとって「アロハ」の象徴。歓迎や祝福、または愛情を表現するための贈り物として、レイは日常的にハワイの人々に広く親しまれています。また、ハワイでは植物にMana
(神の力)が宿ると信じられていることから、ハワイの神聖な踊りであるフラに、「自然に敬意を払い、感謝する」という意味も持つレイは欠かせないものになっています。
そんなレイがハワイの街中を一色に染めるのは、5月1日。「May Day is Lei Day
(メーデーはレイの日)」と音韻を踏んで名称され、1928年より継続され今年で76回目を迎えたハワイの祝日の中でも伝統的行事です。5月1日(メー・デー)は、元来は古代ローマ春の女神フローラを称え春の到来を祝福する日、現代では労働者の祝祭日とされていますが、ハワイでは、草花・貝殻・鳥の羽等を用いて作ったレイが街を埋め尽くす日となっています。
この日は、ハワイ各島にてレイ・デーのお祭りが開催されますが、とりわけ賑やかなのはホノルル市が主催するオアフ島クイーン・カピオラニ公園で行われる祝典。レイのコンテストが開催され、多くのレイが訪れる人々の目を楽しませてくれます。レイの展示を堪能できる他、レイ・クイーンの式典や、ロイヤル・ハワイアン・バンドのよる演奏、多くのHalau(フラの教室)が繰り広げる楽しいフラ・パフォーマンス、スティール・ギターのショー、そしてレイやクラフトのデモンストレーションなど内容もバラエティに富む一日プログラム。
ハワイ文化に触れる絶好の機会です。会場の1ブロック先には真っ青なビーチもあり、暑くなったら海で泳いでリラックスすることもでき、子供も大人も家族みんなが一日楽しむことができます。
レイ・コンテストは毎年、テーマが与えられますが、今年のテーマは「Na Waiho‛olu‛u O Na Lei (The Colors of the Leis)」、「レイの色」でした。4色のテーマに分かれて出展されたネック・レイ(首に着用する通常のタイプ)の他にも、ハット・レイ(帽子用)、5色以上を使用したテーマ・レイと、3つのカテゴリーに分けられ、上位5名まで賞が贈られます。使用される草花も多種多様。見た目の美しさだけではなく、各草花に込められた意味や、香りなども重要視されます。レイ・メーカーは、自邸の庭先や花屋さん、森に入って見つけてきたもの、とレイの材料を数日前より調達します。市長最優秀賞を受賞したのは、昨年も優勝したBill Char氏。レジェンドと呼ばれる彼は、20年以上もレイを作り続け、過去何度もレイ・デーでは賞を獲得している大ベテラン。Bill Char氏のレイ作成流儀は、「草花の材料にガイドされるままに」自然なフィーリングに合わせて作るそうです。13種の草花を使用したレイは、一際、華やか。
レイ・デーにもうひとつ欠かせない存在が、ハワイ文化献身者の象徴とされる「レイ・クイーン」。娘、母、祖母、といった3世代から、毎年交互に選ばれことになっています。レイ・クイーンを選出するためにコンテストがあり、候補者はそれぞれ“Kumuhana O K Lei (1時間以内でレイを作成し、レイを見につけた振る舞いを披露”、“Hula(選択したフラのパフォーマンス)”、“Kulana O Ka Wahine (人格や姿勢)”、“Olelo Pelekane(アロハスピリッツをどう伝えていくか、英語によるスピーチ)”と、4つの項目に分かれて評価されます。そして、今年のレイ・クイーンに輝いたのは、フラのKumu(先生)でもあるFlo Ku`uleilani Fernandez。陽気で大らかな彼女は、幼少の頃よりフラを踊り続け、フラを通してレイにも深く携わり続ける経歴の持ち主。母より継承し、草花だけではなく鳥の羽を使用して作るレイ・フルも得意だとか。Halau Hula O Pua `A`ala Honeを通してフラに欠かせないくレイ・メイキングを教えたり、市の公園・レクリエーション局のプログラムでも、インストラクターを15年以上続けている積極的なハワイ文化の保護・継承者です。
「Keiki(子供たち)がバンドスタンドを埋め尽くす日は、メーデーの日が来たのね、と実感する時だわ。」と、Kumu
Hula (フラの先生)、Hokulani De Rego (Halau Hula ‘O Hokulani)の言葉。バンドスタンドのステージを、華やかな衣装に身を包んだ子供たちが埋め尽くし、楽しく明快なパフォーマンスもレイ・デーの見所のひとつ。愛らしい仕草と少々はにかんだ笑顔で観客を魅了したあとは、観客にプルメリアのレイをプレゼントしてくれます。思いがけなくレイを受け取った観客は、とても嬉しそうでした。
その後、1時間ごとに異なるHalauが交代でフラ・パフォーマンスを繰り広げ、暑い日差しの中でもバンドスタンドの客席は夕暮れ時までいっぱい。伝統的なフラの大会メリー・モナークに参加出場したHalau
Hula ‘O Hokulaniの優雅なパフォーマンスから始まり、「May Day is Lei
Day」の曲や、イラク出兵中の人々へ捧げて踊ったNa Leo Nahenahe o Na Kupuna (Kumu: Rosemarie
Dungca)は観る人々を感動させました。
そして、ユーモラスなトークと、フラ曲の解説を交えて観客を魅了したKumu Candy
Pollack率いるNa Wahine ‘O Ka Hula Mai ka Pu’uwaiは、フラ・ソングマスターのKeali'i
Reichelナンバーの他、日系ダンサーによる沖縄ソング「なだそうそう」をフラにして披露、Kumu自ら観客を先導して「Spread a
Little
Aloha」のALOHA文字を手サインでコミカルに踊る場面など会場を沸き立たせました。
そして、最後のとりは、兄弟であるクムJames
とMichael Dela CruzのHula Halau Na ‘Opio O Ko’olau
から、Keiki(子供たち)によるタヒチアンの踊りや、ニュージーランドのネイティブ民族マオリの伝統的踊りをポイボールも使用しながら披露してくれました。
以外と知られていないのが、レイ・デーコンテスト翌日に行われるマウナ・セレモニー(Mauna ‘Ala
Ceremony)。マウナ・セレモニーは、ヌウアヌ・アベニューにあるロイヤル・マウソレム(Royal
Mausoleum)にて行われました。ロイヤル・マウソレムは、オアフ島で最も神聖とされているカメハメハ王2世から5世、カラカウア王、そしてリリウカラニ女王、カピオラニ女王などのAli’i(皇族)の埋葬地です。そのお墓へレイを贈呈する儀式。カピオラニ公園のコンテスト会場では、レイは壁に飾られ観覧する人々はロープラインで仕切られてしまいますが、こちらのマウナ・セレモニーでは、芝生の上にレイが並べられ間近にレイを観賞することができます。
早朝8時半から、素敵なムームードレスに身を包んだ4人のプリンセスとレイ・クイーンは、朝の柔らかな日に照らされた綺麗なレイと記念撮影。
その後、ハワイアン音楽の演奏が行われ、地元のthe
Halau Lokahi Public Charter SchoolのKeiki (子供たち)によるChant(歌)とフラが、KumuのHinaleimoana
Wongのもとに披露されました。
そして、周囲の強い要望によってレイ・クイーンとプリンセスがそれぞれフラを踊ったのち、貴族のお墓が奉られている地下にてレイの贈呈儀式が行われました。地下室内は天井が高く、カラカウア王の像の横には、昔Ali’i(皇族)が道中を通るときに、その参上を知らせるために家来が持ち歩いたkāhili(カヒリ)が展示してありました。こうして2005年のレイ・デーは幕を閉じたのでした。
|